きみはいい子

母親は二十歳を過ぎ、東京に出てきてからわたしに話すようになった。自分がよい母親じゃなかったと。

「ごめんね。あなたが小さかったころ、お母さんはきついことばかりした、本当に申し訳なかった」

 

誰でもちょっとずつその痛みはあるんじゃないだろうか。わたしは優等生だった。小学生のときの小さなテストなら本当に満点を取っていたが、たまに70点とかとってしまう。

そうすると、そのテストを机の奥深くにかくした。テストには番号がふられていて、その次のテストが先に帰ってくることはあまりない。

「今回は、先生が順番変えたんだって」

そういってかくし続けた。机の奥には、くしゃくしゃのテストがずっとうもれている。

 

机を片付けた母親が、ある日とうとう発見して

テーブルの上に3つ、並べて黙ってわたしを待ち受けていた。

 

無言に耐えられず、ごめんなさい、ごめんなさい。ひたすら謝りはじめたわたしに、母親はゆっくり口を開きはじめて詰問する。

 

なぜ怒ってるかわかるの、と。

一度吹き出た母親の怒りはヒステリックになってゆく。小さな嘘をついてしまうこと。人の顔色をうかがってしまうこと。そのすべてに噴出したマグマみたいに怒ってた。

ひたすら謝るわたしに母親は、ますます怒った。とりあえず謝らないで、何が悪いかわかってるの、と。

 

謝ることも許されない。

逃げることもできない。

こどもの性格を決めるのは、たぶんこの状況だと思う。

 

いまも小さなわたしのなかにいるこどもは、時々顔をのぞかせては周りに怒られるんじゃないかと不安そうな顔を見せる。

そして顔色をうかがう自分を嫌う、そんな自分。

 

 

日本という国について

うーんやっぱりここに書くときはちょっとネガティヴ。もやもやというか。生理前なんだろうか、ものすごく胸が張るし。

 

引っ越すことにした。わたしは割と大手に勤務していて、源泉徴収票とか住民の審査とかそういうことは、あ、そうですね。となる。問題は夫だ。個人事業主にこの国は非常に冷たい。会社がいつまであるかもわからないのに、家を借りる、というライフスタイルのなかで非常に重要な局面のたびに、お前はうさんくさい、といわれてしまう。

 

高級賃貸とかだとますますそうだろう。世の中甘くない。で、夫にもっと働いてくれ、高級取りになってくれ、といいたいわけじゃないけど、いやちょっと思ってるか苦笑。私いつまで頑張ればいいかな?って。ちょっと息切れしてる。逃げ場がない。早くバトンタッチしたいのだ。そう思ったら、うちの父親の偉さに泣けてくる。よくまあ家族三人のために何十年も働き続けたものだ。脱線した。

 

そう、独立したいと思った時に容赦なくこの国の制度は突き刺さる。それは配偶者にも。こんな混んだ電車で毎朝苦痛に満ちた顔で運ばれていくことの代償が、生活の保証なのだ。政治家にはわかんないだろうな。ハイヤーに乗って暮らす政治家には……。

 

 

 

10年後に日本は、世界経済のなかで第7位の地位に転落しているらしい。

私は、子どもがほしいと思っているけれど(今はね)、今の私はとても夫に感謝しているし、やさしいパートナーに出会えたことは幸せなことだ。

 

今、こころのモヤモヤが落ち着かないのでワイパックスを投入。ふー…。もうちょっと早く聞いてほしい。ガリガリ飲みそうだ。キャンディみたいに。理由は、ちょっと会社でやる気をそがれるおじさんがいたからなのだけど。信頼されていないのか、ほとんど会話がないが、一緒に仕事をする自信がない。

 

さて、今わたしは危機に立っているらしい。

この仕事(職業そのもの)は嫌いではないが、続けるのはかなりの困難を伴う。また、この部署は会社ではどうやら「クズ」しかいない職場にいるらしいし、この会社の社是の通り仕事をするのがやっぱりユーザーの求めていることだと思うけど、そちらにむかえないのでなんともモチベーションが描けない。

この会社にいてもいずれリストラ対象になるか、給料が減ったまま不満を抱えて、妙に時間の拘束だけある仕事をすることになるのだから子どもにも不幸だろう。

 

子どもと夫を連れて、海外留学はできるだろうか。

英語の勉強をしなければと思うが、どうも前向きにもなれない。

朝はあんなに前向きだったのに、今はどうも後ろ向きになってしまっている。

会社にいるからだ。すごく残念だ。ここは、きっとよくない……。

この一週間のイライラは、ホルモンのせいなのか

この一週間、本当に気分が落ち着かなかった。マイナスな方にだ。

朝起きたら死にたい。無理矢理走りに行く。午前中は前に進まない。

割と付き合いの広い方なのですが、SNSを見るのがつらい。コメント返すのも本当にしんどくて、人のハリキリモードを見るのがつらいのです。

 

私と共に夢をかなえようと切磋琢磨する敬愛する友達が、アメリカにおいでよ、というメッセージをくれることにも、ずーん。私なんて小さいことでいっぱいいっぱいだよ、と。

 

仕事で、今日の1日、というのをいきなりつけ始めて、自己評価でペケ印をつけまくったり、ちょっと病み気味。ワイパックスをもらってるんだけど、1日3錠飲むことも。と、思っていたら。

 

金曜日に生理がきました。

 

不順なので忘れがちなのですが、今回は本当にきっかり一か月。理由はわかるのだけど。。ただ、そのあとが辛くて、土曜日の朝が本当に本当にどんより…

 

MBA大学院にいっているのですが、それが土曜の午前中。休もうかと思うほどに朝は体調も心も不調でした。

でも行かないより行った方が成績は断然いいので、這うようにして参りました。

 

引越ししたい、家変わりたい、仕事変えたい、リセットしたい…

ぐだぐだ話すわたしを夫はそっと手を握ってくれました。夫曰く

わたしは、生理開始前後にイライラがはじまり、家中をピカピカにしたがり、何もかもを変えたがる傾向があるそうです……これはなんなのだ?

ふだんはズボラの極みで、家なんかぐっちゃぐちゃでA型の夫がイライラするくらいなのに、このときになると私はピリピリマックスで片付けモードになる。

 

そして、オットはそんな私が苦手なんだそうです。ちーん…

心穏やかになるように、あったかいミルクティー淹れてくれたり、手をつないでくれたり。そんなやつを振り切って、わたしはなぜか片付けようとフンフン働き始めるという…ふだんはやらないくせに。

 

「ふだんおおらかな分だけびっくりするから、もうちょっとイライラ抑えてくれると、俺は助かるけど。割といつも生理前後はそうだよ。慣れたけど」といわれました。

 

知らなかった…。迷惑をかけているものです。生理3日目の今日は、今までのイライラや不安が霧散しております…なんでやねん。

 

前向きに留学のこととか、仕事のこととか考えてるし。昨日まではネガティヴに考えてたけど。ホルモンのせいだとすれば、女性を仕事でやりづらいと思う人がいても不思議はないなあ。

と反省。とほほほ…

 

 

おうちで、考え事したい

いまの私は土曜日に大学院。

平日は仕事。そんなに、きつくないけど。土日に遠出が入ってしまうことが多いので、ほかの土日の空き時間が全部ネイル、美容院、まつエクになる。

 

平日は帰りが遅くなることもあるから、夜は疲れ切って何もする気が起きなくなるし、何より部屋が仕事のできる状況にない。勉強部屋がほしい。

あと日当たりも大事。家を探してて、私がテンション下がっちゃうのはせまくて日当たりが低いところ。

ダンナはそうでもないらしい。

 

わたしは生理がくると、体のきつさもあるけど何よりイライラが二、三日続く。

その前もイライラしてる、というか、眠くて眠くて仕方なくなる。

 

おうちの片付け症候群については、ダンナさんはどうやら慣れているらしくて

ピリピリして片付け始めると、手を差し出してきて握手してくれる。

落ち着こうね、と。

 

優しいな、と思う。

でも、昔のほうが夫に遠慮して、キツイとか黙ってたらしいので、昔がゼロで今の私が100なら、70くらいにしてくれるとうれしいな

といわれた。

 

こんな、穏やかな気持ちにしてくれる人はありがたい。きっと、理解できないよねえ?   毎月あるタイミング、イライラし始めて部屋をきっちり片付けたがる病。理解ある夫さま。ありがとね

 

そして、少しクギを刺されました

土日、ちょっと自分のために使えてないぞ

そうなると、お前は体調悪くなるよ

と。来月からは、大学院の授業以外での外出は、夫と過ごす以外極力やめておきます。平日は、いいんだけどね。

考え事をする時間と場所が欲しい

気がつくと、予定に埋め尽くされていてじっくり考えごとをすることが中断されている。

中途半端なまま前に進めず、イライラを残したまま生煮えの悩みが多い。そんな状態で悩みを人に話すのも、イライラが募るのだけど。

時間に追い立てられることをやめたい。そして、考えごとをするスペースがほしい。家が汚いのも、心が汚くなる理由だと思う。今日は家に帰ろう。

お金がなければ、心はきれいでいられない

NPOや、いいことをしている、キラキラしている人に時折機会がある。

ところが、私は「いいことしている症候群」に少し疲れてしまっているのか、「キラキラモード」な方々に正直自分が弱っているからエネルギーを飲まれそうになっているのか、

はたまた自分が汚れているのか、わからないけど少々ぐったりしているらしい。

 

毎日毎日、目の前にある仕事を細々とこなし

それでも、私はまあまあ社会的に責任のある仕事(というか自分でイニシアチブのもてる悪くない仕事)をしているように思うのだけど

すごくすばらしいことをしている頭がよくて、まるで少女マンガのヒーロー、ヒロインみたいな人たちに会うと… 

 

「いやいや、あなたたちみたいに、ゆとりがないんだ」

という言葉が出そうになる。

 

国連職員だろうが、政治家だろうが、難民支援だろうが、私が知る限り(統計をとったわけではない、念のため。)みんな「お家柄もいい」のだ。

私だって、おそらく親はあらん限りの教育を与えてくれたし、別にブラック企業に入ったわけでもない、おいしいごはんを食べたいと思ったときにそこそこおいしいものは食べられるし(数寄屋○郎とかは無理だけど)、別に悪い人生ではない。

 

それでも、仕事は毎日しなければお金も生まれないし、心はそこまでゆとりがない。結局、「貧すれば貪す」。だからこそ、心の清い人たちに対して思うのだ。「ああ、あなたたちはお家柄がいいから」、と。

清い心を持つ人たちの多くは、海外のたっかい費用を払わないといけない大学院のマスターを持っている人がたくさんいるが、彼らは会社でそれなりにいい実績を残しているエリートか、大金持ちかのどっちかだ。そして会社でいい実績を残している人の、もともとの大学や高校を調べてみるといい。…たぶん、結構お金のかかる進学校にいっている、と思う。

 

このことは、30年くらい前に東大の教授だった先生も書いていたし、5年くらい前にも同じような議論があった。

http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20091013/188159/?rt=nocnt

 

これって、どうなんだろう?

貧乏人は、心も清くあれない、ということなんだろうか? それって本当に悲しいことだ。こんな風に思ってしまう自分も悲しい。結局、私はどこかで自分を被害者だと思っているらしい。寄付をする人たちがすばらしい。それに異論を唱える気持ちはない。

だけど、寄付をするには、お金のゆとりも、心のゆとりも必要なのだ。そのステージが違う人たちに何をいっても、きっと言葉は伝わらないだろう。

 

そう、私が知りたいのは、「この大きな溝を、どうやって伝えるのか」ということなのだ。心のゆとりを今失っている私は、体中にぜい肉をつけているみたい。

お金持ちは、一概にスリムだ。なぜなら、健康な食べ物は高いから。

貧しいと、心も体も清くなれない。このつらいスパイラルを、私は変える側にいたいけど、それにもエネルギーがいる。どうしたらいいのか。

自分の心にくっついた、汚いぜい肉を落としたい。これが今の私が一番やりたいこと、らしい。